2018年に建設された徳島林業アカデミーの研修施設「木舎」
たっぷりと徳島県産材が使われた当施設や取り組みなども併せてご紹介させて頂きます。
Contents
とくしま林業アカデミーとは
徳島県では、県産材の更なる増産と利用の拡大を目指す「新次元林業プロジェクト」がH27よりスタート。
豊かな森林を未来につなげるため、植える、育てる、収穫するという森林サイクルを定着させる「林業」をしっかり学び、「地域の活性化」を担う人材が強く求められています。
「とくしま林業アカデミー」では1年間講義や実習などをおこない専門的な資格を取得し、林業の即戦力となる人材育成を行っています。
条件を満たせば、アカデミーでの研修期間中も年間最大155万円の給付金が支給されます。
↓参考 とくしま林業アカデミーパンフレット https://tr-academy.net/
今後の研修の拠点として、林業アカデミーの研修施設「木舎(もくしゃ)」が建設されるにあたり、建築材料の一部に研修に使用した木材が活用されましたのでご紹介します!
実習用の丸太を活用
実習の様子
木舎の建設現場でもある、とくしま林業アカデミーの実習場では生徒のみなさんが実習で伐採した原木やチェンソー講習の際に切ったタンコロ、丸太などが積まれていました。このまま使われないのはもったいない!
粉砕すれば活用できる!?
用材などとしては製品化が難しいこのような材料も、粉砕加工して木粉化することで地域産の建築材料として活用できるかもしれません!
実習で使用し、その材料が学びの場の一部となり循環することになれば良いということでさっそく粉砕して木粉に加工していきます。
運び出し
薪割り
粉砕するためには、小さくして乾燥させる必要があります。そこで薪割りしていきます。
薪の状態にしても、割ったすぐの木は水分率が50%ほどあります。
水分率というのは、全重量に対する水分の比率です。つまり、木の半分は水でできているってことですね!
こんなに水分が含まれていることご存じでしたか?人間も体の70%は水分でできていると言われていますから、植物の木もたくさんの水分でできています。
乾燥
薪状に割った木材を井桁(いげた)に組んで乾燥を進めていきます。
水分率が30%以下になるまで、自然の力で乾かせていきます。
木材の粉砕
十分に木の乾燥が進んだら粉砕工程に進みます。
破砕機、粉砕機、微粉砕機、分級機とすすみ、きな粉のようなパウダーの木粉に加工します。
木の塗り壁材に加工
粉砕した木のパウダーにデンプンやスサなどの自然素材を混錬し、塗り壁の材料に加工します。
林業アカデミー研修施設「木舎」への施工
地域材、そして実習で使用した材を活用した「塗り壁」の材料が完成した後は、いよいよ施工です。 左官屋さんの技術によりきれいに仕上げて頂きました。
コテで仕上げる分クロス(壁紙)に比べて手間はかかりますが、手仕事ならではの風合いや味が出るのは素敵なところです! 杉の優しい色合いにも癒されます(^^)
木の機能性を発揮!
木の塗り壁は、調湿性能、消臭性能、不燃性能、蓄熱性能など、木粉を使うことで木の優れた機能性も発揮します!
健やかな環境の中で研修に励んでいただきたいです!
徳島県産材をふんだんに使用
木舎には木の塗り壁だけでなく、たくさんの木の資材が使われました。
柱や梁などの木そのものの部材の他にも、中質繊維版(MDF)、突板シート、藍染杉、木粉の塗り壁など加工の技術によりいろいろな使われ方がありますね!
阿波踊り会館にも木の塗り壁
木舎まではなかなか見に行けないよという皆さま
徳島市の眉山のふもとにある阿波踊り会館のショップにも木の塗り壁が使用されております!
是非ご覧ください!
あるでよ徳島 https://tokushima-bussan.com/
まとめ
一見何にも使えないような木でも、加工・技術によってさまざまな活用の余地があります。
そして、一見なんてことないモノにも木が使われていることもあります。(壁が木でできてるなんて気づかないですよね)
あなたの身近なところにも木が使われているかもしれません、身の回りの木を探してみてくださいね(^^)
記事引用: NAKAWOOD