9月は台風などの災害が多いことから、毎年9月は「防災月間」として災害に備えつつ知識を深める期間として制定されました。
特に、9月1日は1927年に関東大震災が発生したことから、広く国民が台風、高潮、津波、地震などの災害についての認識を深めるために「防災の日」とされています。
そこで、森林や木づかいと防災について調べてみました!
Contents
森林が持つ防災機能とは
森林には「防災」に関係する様々な働きがあることが分かっています。
山地災害防止機能・土壌保全機能
森林は、樹木の幹や枝葉により雨が降った際に地表に直接降りかかるのを防いだり、地表が下草、低木などの植生や落葉落枝により覆われることで、雨水等による土壌の浸食や流出を防いでいます。
また、樹木が地表に根を張り土砂などを固定することで土砂の崩壊を防いでいます。
《山地災害防止・土壌保全の機能》
・表面侵食防止
・表層崩壊防止
・その他の土砂災害防止(落石防止、土石流発生防止・停止促進、飛砂防止)
・土砂流出防止
・土壌保全(森林の生産力維持)
・その他の自然災害防止機能(雪崩防止、防風、防雪、防潮など)
水源涵養機能
森林は、降水を樹木の幹や枝葉、下層の植生で受け止め、その一部を蒸発させた後土壌に蓄えます。
森林の土壌は、隙間に水を貯え徐々に地中深く浸透させて地下水として涵養するとともに、時間をかけて河川に送り出します。
このように、降水が一気に流れないような森林の仕組みがあることで洪水を緩和するとともに水質を浄化しています。
《水源涵養の機能》
・洪水緩和
・水資源貯留
・水量調節
・水質浄化
地球環境保全機能
近年、地球温暖化による気候変動により異常気象の増加、豪雨など災害の激甚化(げきじんか)の懸念が大きくなっています。
二酸化炭素は主要な温室効果ガスであり、人間活動によるこれらの排出が地球温暖化の要因となっています。
森林の樹木は、大気中の二酸化炭素を吸収し、炭素を貯蔵することにより地球温暖化防止にも貢献しています。
また、二酸化炭素を吸収した木材を建築物などで利用することにより、炭素が長期間貯蔵されます。(二酸化炭素として放出されない)
つまりは、森林の機能で気候変動による豪雨や台風などの異常気象の発生を抑制することが期待されます。
《地球環境保全の機能》
・地球温暖化の緩和(二酸化炭素吸収、化石燃料代替エネルギー)
・地球気候システムの安定化
木を使い山の手入れをすることで自然や人々の暮らしが守られる!
みなさんが暮らす周りには森林が無いかもしれません。
しかし、日本は国土の約2/3を森林が占める世界でも有数の森林が豊かな国です。
山や森から流れる水によって作られる川、 川が流れていく海、そしてみなさんが暮らす街、と一見森林から離れていると思っても実はつながっています!
では、防災機能をもつ森林が近くにつながっているから安心なのでしょうか?
森林が機能を発揮するためには手入れが必要
残念ながら、全ての森林が上述したような防災に関する機能を発揮しているとは言えない状況です。
それどころか、手入れがされていない人工林などの森林は、荒廃して土砂崩れなどの原因になるケースも見られています。。。
木を伐採することは自然破壊になると考えられる方もいらっしゃると思います。
確かに、天然林・自然林をどんどん伐採して更新しなければ、その分森林面積は減少し二酸化炭素の吸収量の減少、そこに生物が暮らせなくなり生態系の破壊や質の低下、土砂災害の増加など自然破壊になってしまします。
しかし、人工林では、植栽した木を間引きして密度を調整する「間伐(かんばつ)」といった手入れを行わないと、木立の間に日光が差し込まず下草が生えないなどにより土壌が失われたり、土砂崩れの原因となったりします。
また、適切な伐採が行われないと、新しい木が植えられず高齢の木々ばかりとなり二酸化炭素の吸収量が低下するなど、森林の持つ多面的機能の低下につながってしまいます。
そこで、森林(人工林)を元気にするため、「植林」→「育成(間伐などの手入れ)」→「(成長した木を)伐採」、そして「利用する」というサイクルを回していくことが重要です。
それによって、健全な森林の育成とともに住みやすい環境と資源を持続的に得ることができます(いわゆる、バランスのとれた状態)。
木を使うことで上流に位置する山や森林が元気になれば、そこから流れる水によって作られる川、下流で人々が暮らす街での減災・防災につながります。
防災につなげるための木づかいにはどんなものがある?
家、家具、食器や木粉を活用したものなど木の製品を使うことは、山、川、海の 自然環境を守ることにつながります。 木を切って、植えて、育てながら森林を手入れすることによって、森林が元気になり土砂崩れ・洪水などの災害がおこりにくくなります。
木の活用例
木は家や家具などの材料としてたくさん活用されているほか、近年ではその機能性から新素材などさまざまな用途での活用が期待されています。
山で育った大きな木は、板や柱などになるほか、残った端材は細かく砕いて粉状の木粉にすることで 余すことなく利用できます。
木粉は吸水性や消臭性に優れるため簡易トイレの材料になるほか、樹脂に代わる資源としての活用も広がっています。
災害時に必要なトイレにもなる!
東日本大震災では、3日以内に仮設トイレが設置された自治体は約34%にとどまります。
これまで、 災害時・断水時に、簡易トイレなどがないためにトイレが不衛生になることや、トイレを我慢することなどで、避難した住民の健康に大きな被害が及ぶケースが 多く発生しています。
そのため、簡易トイレなど災害用のトイレを日ごろから用意しておくことが大切です。
(『災害時にまず必要になるのはトイレ』と言われるほど重要です)
簡易トイレ
防災・コロナ対策グッズ
地元の木材を活用し、災害やいざという時に使えるようなグッズを是非ご覧ください!
防災・コロナ対策
那賀町ふるさと納税
『木粉簡易トイレ』は那賀町ふるさと納税返礼品の人気No.1にもなっています。
是非チェック頂けますと幸いです(^^)
ふるさと納税を利用して木づかいと山林保全をおこないませんか?
木を活用して山の手入れを進めて元気にし、みなさんの暮らしを守ることにもつなげていけるように頑張ります!
参考・出典: 森林林業白書(林野庁)