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木のカスケード利用とは? -建築材からバイオマス利用まで-
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木の使い方にはいろいろなものがありますよね!

家や家具のモノの材料として使われたり、燃料として使われたり、紙の材料になったりもしますね!

このようにいろいろな使い道がある木材ですが、それぞれの用途に合うような活用方法はあるのか調べてみました!

木材のカスケード利用

カスケード利用という言葉を聞いたことはあるでしょうか?カスケード利用というのは、多段階的に使っていくという意味合いです。

木材は多くの用途がある素晴らしい素材です。

せっかくの良い素材をいきなり燃やして燃料にしてしまうともったいないですよね。。。

そこで、林業・木材業界では、木をいいもの(品質の良いもの・価値の高いもの)から順番に多段的に使い、最後は燃料としてエネルギー利用するところまで使い尽くす「カスケード利用」に取り組んでいます!

まずは、いいものから見ていきましょう!

品質の高い木材の利用

木材の代表的な使い方としては、柱や土台、梁、板などの「家の材料」が挙げられます。人の命や財産を守る家屋などの建築物には、安全に関する基準などもあり、材料として用いられる木材にも規格が求められます。品質の高い木材であれば、製材してそのまま用いられます。

やはり無垢材は美しさもあり、癒し効果もあり、憧れでもあります。林業家のみなさんが大切に育てられた木を、できるだけこのような美しい形で出していけるように製材・加工業は取り組んでいます。(実は弊社も木粉だけでなく、地域木材加工との連携により、無垢材などの製品づくりに取り組んでおります!)

長尺スギ材の板 粗材ですが無節で美しいですね♪

 

このように、木の魅力も伝わる一番良い使い方をしようとしても、木のすべての部分を製品にすることはできません。柱や板を作るためには、根本の部分を切り落としたり、周りの皮の部分を切り落としたり、形を整えるために部分切断します。

品質の低い木材の利用

では、このような一級品にはできなかった木材や未利用材とも呼ばれる部分はどのように使われるのでしょうか?

これらの材料は、薄くスライスされたり、粉砕されたり、繊維状にほぐされることでさまざまな製品へと生まれ変わっています。

品質が低いと言っても、「建築資材などとしては基準に合わない」ということで、中身は他と変わりません。これらは、林業家・製材所で大切に扱われているため、非常に品質も良くきれいなものなんです!これらを原料としているため、高い品質の木質チップ、木粉、木繊維、パルプなどが製造できるわけです!

タンコロ(木の根元)

製材端材 長いものや短いもの いろいろな形状のものが発生します

背板と呼ばれる丸太の外側の部位

端材の部分で形状がそろっている部分は、つみきなどの原料としても活用しています。スギのつみきは軽くて柔らかくて楽しく遊んで頂けます!もともと柱や板になれる品質の木であるため、安心・安全でもあります!

端材のいい部分は つみきにもなります

 

また、木粉を製造する過程で、規格外品も多少なり発生してきます。

そうした規格外品は最終的に燃料としてエネルギー利用まで行います。

燃料とする際にも、木粉ボイラーであれば、木粉のまま投入しますし、ペレットストーブであれば木質ペレット化したのちに投入します。木粉から製造するペレットは、品質も安定しているため好評ですよ♪

最終的には熱利用 燃料用の木粉や木質ペレットとして使い尽くされます

 

他にもある木材利用

弊社は直接的にかかわりはないものの、上記以外の他の木材利用についてもご紹介します。

全ての木が家の部材に無垢材として使えるような品質の高いものばかりではありません。

曲がっていたり、傷があるような品質が少し劣る木は、合板(ベニヤ板)や集成材などの原料として活用され、木質の部材として活用されます。

ベニヤ板などはホームセンターなどでも販売されています!

無垢の木材では反ったり伸縮したりすることがありますが、加工された合板、集成材などは寸法が安定しているというメリットがあります!

また、さらに品質が劣るものはチップ化され、製紙パルプや木質ボード材の原料としても活用されます。繊維の圧縮ボードもやはり寸法安定性に優れています!

製紙パルプの残差から、セルロースナノファイバーなどの新素材の開発も進められています。近年はバイオマス発電所も各地に建設され、木材の熱エネルギーから電気を生み出すという取り組みも行われています。

いいもの順に適切な使い方をするカスケード利用で、うまいこと木を使いつくしましょう!

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