木にもいろいろな種類があるのはご存じでしょうか?
杉や桧など主に建築材料に活用される針葉樹、桜やカシ、ケヤキなどの広葉樹もあります。
これらの種類によって驚くほど重さが違います!その様子を木粉を例に紹介します。
木のかさ比重・密度
NAKAWOODにて製造している、いろいろな地域素材を原料とした。「スギ」「ヒノキ」「竹」「バーク(樹皮)」の木粉について、密度・かさ比重という観点からそれぞれの木粉の特徴をご紹介します。
下の写真は、いろいろな木粉を出荷用に梱包したものです。
左側から、①竹、②バーク、③ヒノキ(180μmパス)、④ヒノキ(500μmパス)、⑤スギ(180μmパス)、⑥スギ(500μmパス)の順番で並んでいます。(外側をガラ袋で梱包しているため、見づらくて申し訳ございません)
③~⑥のヒノキ・スギはおおよそ同様の大きさですが、①竹、②バークは小さいですね。
竹やバークは特注のため数量が少ないというわけではありません。実はこの①~⑥の袋の重量は、すべて10kgなのです!
先ほどの写真は、重さを均一にしたため「かさ」が異なりましたが、同じかさにした場合は木粉の種類により同じ容積でも重量が異なります。弊社で通常用いるフレコンバックという1m3の格納袋にスギ木粉を格納した場合、200kg入ります。しかしながら、同じ袋に竹粉を入れると、1.5倍の300kgが余裕で入るという現象が起こります。
《NAKAWOOD木粉 かさ比重例》
・スギ木粉 0.2(1m3フレコンバックに200kg)
・ヒノキ木粉 0.2(1m3フレコンバックに200kg)
・竹粉 0.3(1m3フレコンバックに300kg)
・スギバーク木粉 0.25 (1m3フレコンバックに250kg)
このように木粉ひとつとっても、かさが全然異なる原因は大きく2つあります。1つ目は、原料の素材の違い。2つ目は、木粉の粒子の形状の違いです。
1.原料の違い
木材は樹種により比重が異なります。乾燥した木材の一般的な比重をg/cm3の単位で表すと以下の数値になります。(ちなみに水は1.0です)
・スギ 0.38
・ヒノキ 0.41
・竹 0.65
スギ・ヒノキは同程度の比重ですが、竹と比べると1.5倍以上の違いがあるのです!この素材自体の比重の違いが、木粉の比重にも大きく影響を与えています。竹は間に空洞があるため、材のまま運ぶ際には軽いのですが、ここでの比重は空洞がなく竹の材のみをカウントした数値のためスギ・ヒノキと比較して大きな数値となっているようです。
また、ほかの代表的な樹種の比重は、、、
・ケヤキ 0.7
・ナラ 0.68
・マツ 0.63
・ベイマツ 0.53 など
このような数値をみると、スギ・ヒノキが如何に比重が軽い素材かということがわかります。
一般に、広葉樹の方が針葉樹よりも比重が大きいですね!
スギ・ヒノキよりも比重が小さい樹種には、「キリ 0.29」というものもあります。比重が小さいものほど、軽くて柔らかい性質を持っています。
なお、同じ樹種でも地域差や個体差はあります。那賀町内でも「木沢地域のスギは軽い!」など特徴があるため、用途に合わせて産地にこだわる木材加工業もおります。
なお、広い那賀町内のスギは「木頭杉(きとうすぎ)」というブランドであり、町内どの地域産でも高い品質が評価されています。
2.木粉粒子の形状の違い
木粉はミクロの世界の細かい粒子ですが、拡大して観察すると、丸い形状のものや細長い形状のものがあります。
木粉の粒子が丸いものばかりであれば、よく締まるためかさ比重が大きくなります(箱の中にたくさん詰め込める)。
一方で、細長い形状のものが多いと、全体がホワホワとしてかさ比重が小さくなります(かさばるため箱の中にあまり詰め込めない)。
樹種が持つ素材自体の比重・密度は変えようがない特性ですが、上述したような粒子形状の工夫により木粉のかさ比重をある程度コントロールすることはできます。フレコンバックにスギの木粉250kgが入るような仕様の木粉を製造することも可能です。
「原料とする部位」、「製造時の水分率」、「破砕時の繊維方向」などのコントロールにより木粉の品質がかわってきます!
杉を粉砕した木粉の粒子にもいろんな形のものがありますね↓