自分で森を育てながら稼ぐ、新しい働き方!「自伐型林業」ってなんだろう?

はじめに
日本の国土の約7割を占める森。私たちにとって、木材や水、きれいな空気を生み出す大切な場所です。でも、残念ながら、いま日本の森は多くの課題を抱えています。
・木材の価格が下がり、林業で生計を立てるのが難しい
・手入れをする人が減り、荒れてしまう森が増えている
・木を伐採した後の土砂災害が心配
・木の苗を植えても動物に食べられてしまう
こうした状況を解決するかもしれない、新しい林業の形として注目を集めているのが「自伐型林業(じばつがたりんぎょう)」です。
「自伐型林業」って、どんな林業?
自伐型林業とは、ひと言でいうと「自分で森を管理し、自分で木を伐って売る」林業のことです。
これまでの林業は、企業や組織が広大な森を所有し、大規模な機械を使って効率的に木を伐採することが一般的でした。しかし、自伐型林業は、個人や小さなグループが、自分のペースで丁寧に森と向き合います。
自伐型林業の3つのポイント
「お金」を意識した木材生産
必要な分だけ、必要なときに木を伐採します。市場のニーズに合わせて計画を立てるので、無駄がなく、安定した収入につながります。
環境を守る「小さな伐採」
一度に大量の木を伐採するのではなく、少しずつ、持続可能な方法で木を切り出します。そうすることで、森が荒れるのを防ぎ、豊かな自然を保つことができます。
「多様な働き方」の実現
自伐型林業は、一人で始めることも、地域の仲間と協力して行うこともできます。週末だけ、農業の閑散期だけなど、自分のライフスタイルに合わせて仕事に取り組めるのが大きな魅力です。
効率的な作業で負担も少なく
「でも、自分でやるのは大変そう…」そう感じる方もいるかもしれませんね。自伐型林業では、作業の負担を減らすための工夫もたくさん取り入れられています。
下刈りの回数を減らす
林業には、木の成長を邪魔する草などを定期的に刈る「下刈り」という作業があります。自伐型林業では、木を植える前に地面を耕したり、適切な間隔で木を植えたりすることで、この大変な作業を最小限に抑えられます。
作業をラクにする「道づくり」
山の中に軽トラックや林業用機械が通れる道(路網)を整備することで、重い木材を運び出す作業がぐっと楽になります。これも大切な仕事の一つです。
「高度な伐倒技術」で安全に
自伐型林業では、狙った場所に正確に木を倒す「高度な伐倒技術」が重要です。これにより、木が他の木に引っかかったり、山を傷つけたりするのを防ぎ、安全で効率的な作業が可能になります。
「自伐型林業」はどんな未来をつくる?
自伐型林業は、単なる木材生産の方法ではありません。
森の再生:木々が過密になった場所を手入れすることで、日光が地面に届くようになり、新しい命が育ちます。
地域の活性化:林業に新しい人が参入することで、地域に活気が生まれます。
森とのつながり:自分たちの手で森を育てることで、暮らしと自然のつながりを再認識できます。
持続可能な社会を目指すいま、森を守り、暮らしを豊かにする自伐型林業は、これからさらに必要とされていくでしょう。